2008年12月12日(金)18:46

リスボン条約発効に向け新たなチャンス

ブリュッセル(ドイツ通信社dpa)

EU改革リスボン条約は発効に向け新たなチャンスを得た。欧州連合の各国首脳は金曜日ブリュッセルで、一連の譲歩を行うことにより、アイルランドによる来年秋の国民投票再実施の道を開いた。

EU各国首脳はアイルランドのブライアン・カウエン首相の要求を容れ、2014年以降の欧州委員会の縮小を断念するなどの譲歩を行った。「条約がすべての国で批准されれば、各国はまた1名の欧州委員ポストを得ることになる」とEU議長国を務めるフランスのニコラ・サルコジ大統領は述べた。

カウエン首相はアイルランドが2009年に再度国民投票を実施すると約束した。「今日の合意に基づき(…)私は来年またアイルランド国民に批准を呼びかけることができる」と首相は語った。EU各国首脳は将来にわたるアイルランドの委員ポストを約束したばかりではない。リスボン条約はアイルランドの中立や税政、あるいは家族政策に関する憲法の規定や人工中絶の禁止に関与しないとの約束も行った。アイルランドは6月の国民投票で条約批准を否決している。リスボン条約はこれまで加盟全27ヶ国中25ヶ国の議会で批准が承認されている。

「私たちは二度目の国民投票を可能にする措置を取ることができた」とドイツのアンゲラ・メルケル首相は語った。欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は「アイルランドは私たちとともにEUに加盟していることがどれほど重要なことか、理解してくれることだろう」と語った。

ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相は控えめな評価を行った。「私たちは、欧州委員の数を加盟国に合わせて増やしていくことが政治の王道ではないとの考えを確認した」。しかしアイルランドの要望に応じないのは不可能であった。「この点で譲歩するしかほかに方法はなかった」、とユンケル首相は語った。

これより前、欧州議会憲法委員会のヨー・ライネン委員長は、各国政府が重大な誤りを犯したと批判した。33ヶ国ないし35ヶ国へのEU拡大計画を踏まえれば、将来は旧ユーゴ7ヶ国の委員が約5分の1を占めることになる。これは欧州委員会内の政治的なウエイトが大幅に移動することにつながる、と警鐘を鳴らした。

EU首脳会議は、2009年6月の欧州議会選挙が現行のニース条約に基づいて行われることでも合意に達した。しかしリスボン条約の発効後は、当初削減した議員定数をまた引き上げねばならないという。EU加盟国の約束は公式にはクロアチアの加盟条約に盛り込まれ、法的拘束力を持つことになる。クロアチアは2009年末に加盟準備を完了したい意向である。

原題:Neue Chance fuer ≪Lissabon-Vertrag≫




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